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60周年記念シンポジウム

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60周年記念シンポジウム 概要

シンポジウムプログラム

帝人奨学会60周年記念シンポジウム

開催日時
2013年9月27日 (金) 13:30~16:40
開催場所
イイノホール(東京都千代田区)
出席者
400名

プログラム

13:30
理事長あいさつ
大八木 成男氏(帝人株式会社代表取締役社長 執行役員CEO)
13:40
ご来賓あいさつ
戸谷 一夫様 文部科学省 大臣官房長
14:00
特別講演
根岸 英一 様(2010年ノーベル化学賞受賞 米パデュー大学特別教授)
15:05
パネルディスカッション
16:40
終了
全国から駆けつけた大勢のOBOGと
一般招待客の方で会場は埋まりました。
奨学会の意義を話す大八木理事長
文部科学省 戸谷様より
応援メッセージをいただきました。

根岸英一様 特別講演

特別講演のタイトルは「Magical Power of Transition Metals:Past, Present, and Future」。内容は、ノーベル化学賞の受賞理由である、異なる有機物を結びつけて新しい化合物を作り出す「クロスカップリング反応」についてです。実験で使用する触媒に今まで使用されてこなかった有機アルミニウムや有機亜鉛化合物のような反応剤を利用し、有機合成に高い成果を挙げることができたことなどをご紹介して頂きました。専門性の高い話を図や写真などを用いて、わかりやすく説明され、皆さん熱心に耳を傾けていました。

力強い言葉で講演をしていただいた根岸様

最後に、若手研究者のエールとして根岸先生が帝人に入社する際に当時の社長大屋晋三氏から掛けられた言葉が紹介されました。

「若者よ、海外へ出よ!」。この大屋社長の言葉に、根岸先生は大変驚かれたそうです。その後、帝人を休職し、フルブライト奨学生としてペンシルベニア大学へ留学し博士課程へ進学できたのは、この言葉が後押ししてくれたとお話を締めくくられました。

パネリストプロフィール

モデレータ横山 広美様 東京大学大学院 准教授

2004年、東京理科大学大学院理工学研究科物理学専攻満期終了。同年9月博士(理学)。2007年より東京大学大学院。理学系研究科准教授、兼広報室副室長。専門は科学コミュニケーション。日本学術会議若手アカデミー委員会委員。

2007年科学ジャーナリスト賞受賞。東京工業大学研究員、総合研究大学院大学を経て、2009年女子中高生理系進学支援事業・東京大学代表、2010年科学コミュニケーション研究会設立、初代代表。

パネリスト根岸 英一様 米国パデュー大学 特別教授 第5回生(1957年)帝人奨学生

1958年東京大学工学部応用化学科卒、帝人㈱入社。60年帝人㈱を休職しフルブライト奨学生として米ペンシルベニア大学に留学、63年同大学院博士課程修了、Ph.D 取得。69年帝人㈱を退社、米パデュー大学、ハーバート・ブラウン教授の研究室へ。79年パデュー大学教授。99年から同特別教授。有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリングの業績で2010年ノーベル化学賞受賞。同年文化勲章も受章。帝人グループ名誉フェロー。

研究を志した理由

中学・高校時代に理科系の学科に興味があり、ラジオを制作や無線いじりをしていた。そのため理科系、とくに高分子化学を専攻。帝人の入社式での当時の社長の言葉「若者よ海外に出ろ」に触発され、1960年にフルブライト奨学生として米国へ留学する。その後博士の学位を得て、1966年には米国パデュー大学で研究員として働き始める。その後は、多くの研究者とめぐり逢い、さまざまな研究に取り組み、現在に至る。

パネリスト澤本 光男様 京都大学大学院 教授 帝人奨学会 評議員

1979年京都大学大学院工学研究科修了(工学博士)。1996年より京都大学院工学研究科高分子専攻教授。1999年日本化学会学術賞受賞。2008年高分子学会会長(2010年まで)。2012年英国王立化学会MacroGroup UK Medal for Outstanding Achievement in Polymer Science 受賞。2013年より日本化学会理事も務める。帝人奨学会評議員。

研究を志した理由

父親と中学・高校・大学の恩師の影響で理科系に興味を抱き、大学院ではポリマーの合成などを行う高分子化学を専攻。元素記号のテストを毎授業行ってくれた中学校の恩師。全てことをモル数として捉える意味や大切さを教えてくれた高校時代の恩師。そして、「大学で研究を続けなさい」というアドバイスをくれた大学の恩師。これまでめぐり逢った恩師のおかげで、現在も大学で研究を続けている。

パネリスト川合 眞紀様 理化学研究所 理事

1980年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)、1985年理化学研究所研究員、1988年東京工業大学客員教授。1991年理化学研究所主任研究員、埼玉大学大学院客員教授、東京理科大学客員教授、学習院大学客員教授を兼務。2004年東京大学大学院新領域創成科学研究科教授、2010年理化学研究所理事。教育再生実行会議有識者委員。

研究を志した理由

この分野に興味を抱き、今日まで研究を続けているのは、高校時代に経験した物理の重力加速度の実験のおかげ。運動方程式の単純な美しさに触れ、自然の法則が実は自然を記述しているということに感動を覚えた結果、科学者としての道が目の前に広がった。

パネリスト吉田 直紀様 東京大学大学院 教授 第45回生(1997年)帝人奨学生

1996年東京大学工学部卒業。マックスプランク宇宙物理学研究所博士課程修了(DN)。ハーバード大学、名古屋大学、東京大学数物連携宇宙研究機構を経て、2 0 12年より東京大学院理学系研究科教授。2008年国際純粋応用物理連合若手科学者賞受賞。専門は宇宙物理学。スーパーコンピュータを用いて宇宙の進化や暗黒物質の謎に挑む。著書に「宇宙137億年解読」(東京大学出版会)や宇宙で最初の星はどのように生まれたのか」(宝島社新書)がある。

研究を志した理由

小さい頃から天文少年で、晴れた日は毎晩星空を観測していた。将来は宇宙飛行士になりたいと志したこともあったが、宇宙って一体何なのか、どのように形成されてきたのか、そんな宇宙そのものを探求することに興味がうつっていった。現在はダークマターの正体や銀河の形成された理由についての研究や、今後の宇宙の観測方法などについて議論を交わす日々を送っている。

パネリスト近藤 史郎様 帝人グループフェロー

1980年東京工業大学大学院総合理工学研究科修了、1980年帝人㈱入社。2004年帝人ファーマ㈱医薬開発研究所長。2009年同社帝人グループフェロー、近藤研究室室長。高尿酸血症治療剤として、世界で約40年ぶりとなる新薬「フェブキソスタット」の創製に成功。2012年公益社団法人日本薬学会「創薬科学賞」および文部科学大臣表彰「科学技術賞」受賞。

研究を志した理由

高校生の時にワトソン・クリックモデルの解説を読んで科学者の道への興味を抱き、大学時代に本格的に有機化学を専攻。現在は痛風や高尿酸血症の治療薬であるフェブリクを開発したことで、新しい研究室の責任者として活躍中。先端医療材料をテーマに、薬とは違った形で医療に貢献するプロジェクトを立ち上げ、新たなチャレンジを続けている。

パネルディスカッション

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