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帝人久村奨学生からの応援メッセージ

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2024年度 奨学生からのメッセージ

「選考を楽しんで」

私は物理学の医療応用を志しており、現在はQST関西研にて、レーザー駆動イオン加速という新しい加速手法を用いたイオン加速器の開発に携わっております。本研究は、重粒子線がん治療装置の小型化や超高線量率放射線がん治療(FLASH)への応用が期待されています。

このような興味と合致する研究ができていることは文字通り有難いことです。この機会を十分に活かし将来への糧とするため、研究に専念するべく本奨学金に応募しました。研究への熱意を評価するというだけあり、書類選考後二度の研究プレゼンによる選考がありましたが、学会発表とは異なり、幅広い分野の先生方が審査してくださるため、視覚的に理解できる説明を心掛けました。自分が自身の研究の何を面白く感じ、その成果が何に繋がるのかについて、好きなものを布教する気持ちで臨むことをお勧めします。皆さんも幅広い分野の高名な先生方に布教ができる、この貴重な機会をぜひ楽しんでください。

九州大学大学院 総合理工学府 総合理工学専攻 H.M

「挑戦してみてよかったと思える奨学金」

薬は病気を治療するという効果がある反面、毒性を示してしまうこともあります。私は、抗うつ薬の使用による2型糖尿病発症リスクについて研究を行っています。発症メカニズムを解明し、その成果を社会に還元することが目標です。

帝人久村奨学金の大きな特徴として、研究への熱意を評価して頂ける点にあると思います。奨学金の本選考に向けて自身の研究の面白さ、最終的に社会にどう還元するか、といった点について、専門外の先生方にもわかりやすく伝えることを心がけました。自分の研究に対して非常にクリティカルに向き合うという作業はやはりこのような機会がないと追求することが難しく、改めて新しい発見を幾つも得ることができました。

博士課程を応募する皆さんは私のように修士論文、論文発表会の準備と重なり、大変かもしれませんが、大変貴重な経験が数多くできると思います。是非チャレンジしてみてください。

京都大学大学院 薬学研究科 薬科学専攻 I. H

「やってみたい「何か」ありませんか?」

私は体のがんだけで金属触媒反応による薬剤合成を行うことによって、正常組織への副作用を抑えたがん治療に挑戦しています。将来は自分自身で開発した技術の世界の化学医療の現場に普及させたいと考えています。帝人奨学会の学生の育成に主眼を置いた理念に感銘を受け、応募させていただきました。将来の目標の実現のためには、基礎的な知識、世界に通用するコミュニケーション能力など身に付けなければならないことが多いですが、日々研鑚に努めてまいります。

帝人奨学会では、自分自身の取り組みや将来の目標について、熱意を評価していただける共に、適格なご意見をしていただけます。選考対策に取り組むこと自体が目標の実現のための一歩になります。やってみたいことがある、けど自信がないといった方こそぜひチャレジすることをお勧めいたします。

東京工業大学大学院 物質理工学院 応用化学系 K. I

「自分の研究を知ってもらう機会」

私はゼオライトという結晶性多孔質材料を対象に、原子シミュレーションから合成までさまざまなアプローチで材料の性質を解き明かそうと日々研究に取り組んでいます。

面接の際には自らの研究の面白さをさまざまな分野にスペシャリティを持つ選考委員の方々にいかに伝えるかに力を入れて臨みました。

その甲斐あってか、面接ではとても建設的な議論ができ、選考委員の方からも核心をつくアドバイスをいくつもいただくことができました。

さらに本奨学会からの経済的支援により、研究に専念する環境を整えることができました。 皆様も是非挑戦してみてはいかがでしょうか?

東京大学大学院 工学系研究科 化学システム工学専攻 K.O

「挑戦を通じた成長と成果:不安・迷いを乗り越えて」

私は,高分子材料の合成と同時に材料が自身の力でナノ構造を形成する新現象を探究しています。三次元ナノ構造の自在形成を達成することで,未知の機能材料の創出を目指しています。本奨学金に応募した理由は,研究への熱意を重視する理念に惹かれたためです。また,本奨学金の先輩であり,化学分野で著名な根岸英一先生とは出身高校が同じであり,深いご縁を感じたためです。応募当初,自身の研究に対する学術的意義・興味深さについては確信がありましたが,その産業的重要性や社会発展に対する貢献度については明瞭ではありませんでした。しかしながら,選考を通じて,多彩な専門を有する選考委員の先生方に対して研究の意義を伝える研鑽を行うことで,研究の社会的重要性を強く認識できました。本奨学金への応募を悩んでいる方も,困難な道のりかもしれませんが,結果だけでなくその過程が成長に大きく繋がると信じていますので,ぜひ挑戦してみてください。

東京工業大学大学院 物質理工学院 応用化学系 K.T

「伝える力を磨き、試す格好の機会」

私は、ホウ素ドーピングによる高機能カーボン材料の合成と機能開拓に関する研究に取り組んでいます。カーボン材料の応用分野は多岐にわたりますが、特に蓄電・発電デバイスの電極としての利用について検討を行っています。

経済的困窮度よりも研究に取り組む姿勢を評価するという趣旨に共感し、帝人久村奨学金への応募を決めました。面接選考にあたっては、専門領域が異なる先生方にも研究内容を理解していただくため、プレゼンテーションの構成を熟考し、研究の中心となる「骨」の部分を明示したうえで、「肉」に当たる専門的な内容はなるべく噛み砕いて短く簡潔に説明するよう心掛けました。自身の研究の面白さを分かりやすくかつ的確に伝えることは、研究成果の創出と同じくらい重要だと思います。本奨学金の選考は、異分野の先生方に自らの研究内容を伝える力を磨き、そして試す格好の機会です。皆さんもぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

東北大学大学院 工学研究科 化学工学専攻 K.W

「帝人久村奨学生としての抱負」

この度は帝人久村奨学生に選出いただき本当にありがとうございました。

私は救急医として働きながら、臨床現場起点で技術を生み出すことを目標に研究活動を行っております。目下は外傷患者の全身CT画像から、処置すべき損傷の情報を自動で抽出するAIの研究開発を行なっております。本奨学生の期間にこのAIシステムを病院へと実装し、救命の一助となれるよう邁進する所存です。何卒よろしくお願いいたします。

京都大学大学院 情報学研究科 社会情報学 N.O

「千載一遇のチャンス」

私は、既存の顕微鏡法にコンピューテーショナルな画像処理技術を組み合わせた、従来よりも高機能で使いやすい生体イメージング手法の開発に取り組んでいます。特に、再生医学や創薬研究の現場で需要の高い、生体試料の非侵襲的かつ定量的な解析手法の開発に注力しています。物理工学と情報科学の両面から医学・生物学への貢献を目指し、研究に励んでいます。

本奨学金の選考においては、特に研究に対する熱意と、今後の研究の方向性に重点を置いた研究発表が求められます。したがって、選考を通じて自分の研究の立ち位置や、博士課程での研究プランを見つめ直すよい機会となりました。

各分野の明哲な先生方に研究を評価していただける本奨学金は、研究者を志すすべての学生にとって、またとないチャンスだと思います。是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

東京大学大学院 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 R.K

「挑戦して得たもの」

私は現在、ウイルスが宿主細胞内で複製するメカニズムに興味を持ち、研究に取り組んでいます。修士課程在学時に帝人久村奨学金を知り、博士課程でも研究に専念したいという思いで応募させていただきました。学部では文系の分野から生命科学に飛び込み、博士課程進学時には所属を変えて新たな研究テーマに取り組むことを決めていたため、自分のバックグラウンドに自信を持てずにいましたが、選考会に向けて準備を重ねる中で、自分の一貫した好奇心を再認識し、この先の研究人生で何を成し遂げたいのかを考えることができました。選考会でこれらを評価いただき、奨学生として採用していただけたことは、研究を続けるための大きな自信に繋がっています。また、選考会で様々な分野の先生方からご助言を頂いたことは、自分の研究計画を検討する上でまたとない貴重な機会となりました。皆様も、少しでも興味があるなら、限界を決めずに是非挑戦してみてください。

京都大学大学院 生命科学研究科 総合生命科学専攻 T.O

「自分がやりたい研究は何だろうかと考えた時間」

私は現在、動物が視覚情報から快の情動を得る神経機構をメダカを例に解き明かそうとしています。この研究は、私が何に興味がある人間かそのルーツを振り返り、情熱を燃やして取り組むことができる自分のための研究でした。

私は幼少期から昆虫が好きでした。世の中に虫好きな人は多いと思いますが、私の場合は形、模様、輝きといった見た目を美しい、かっこいいと感じる気持ちが幼少期から一貫していることに気がつきました。ヒトである私が、美しい構造色を持つ甲虫や蝶類の見た目に惹きつけられることを不思議に感じ、ヒト以外でも視覚情報から「美しい」、「快い」と感じるのかを調べるために研究計画を練りました。本奨学会の選考過程は私にとって博士課程やその後を見据えた研究の方針、自分が面白いと思える研究内容を考え直す大事な時間になりました。本奨学会に挑戦し自分と向き合う時間は貴重で有意義だと思うので、ぜひ挑戦されることをお勧めします。

東北大学大学院 生命科学研究科 脳生命統御科学専攻 T.S