Skip to content(本文へジャンプ)

2021年度

  1. ホーム
  2. 活動報告
  3. 2021年度

帝人久村奨学生(第69期)交流会を実施しました!

2021年10月12日(火)に帝人久村奨学生(第69期)交流会を実施しました。今回は第69期19名中14名の奨学生に参加いただきました。

例年、交流会は帝人株式会社の研究拠点に集まっていただき開催をしておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、昨年度に引き続き今年度もオンライン会議システム(Zoom)を利用して開催いたしました。

当日、Zoomで顔を合わせた奨学生の皆さんにはまずオリエンテーションとして帝人奨学会や帝人に関する理解を深めていただき、その後、奨学生同士で自己紹介プレゼンテーションを行ってもらいました。時間の都合上、1人ずつの持ち時間は短かったものの、研究内容から趣味のことまで奨学生同士で積極的に質疑応答が交わされ、修士・博士の垣根なくコミュニケーションを取っていただけました。

その後は、現在帝人で社員として活躍している帝人久村奨学生OGも交流会に参加し、自身の経験談などを話してもらいました。最後はオンラインでの懇親会を開き、軽食をとりながら奨学生同士気軽にお話しいただくことで交流を深めることができた様子でした。

今年度もオンライン上での交流会開催となりましたが、奨学生の皆さんは対面時とあまり変わらない様子で非常にスムーズにコミュニケーションをとっていらっしゃいました。アンケートでは、「他大学、他専攻の仲間と知り合う機会は貴重であり、企画頂いたことに感謝しております。特に皆さん研究に対する熱意が大きく、とても刺激を受けました。」といったご感想や、「10月は研究も忙しくなってくる」といったご意見もいただき、頂戴したご意見を今後の運営に活かしていければと思います。

交流会をきっかけに同期の交流を持っていただくとともに、今後のご自身の研究や進路に悩む方には少しでも良いご経験となれば幸いです。

役員より退任のメッセージをいただきました。

2021年春の理事会・評議員会をもちまして公益財団法人帝人奨学会の役員の職をご退任された2名の先生方からメッセージをいただきました。

加藤直樹先生(京都大学名誉教授)

私は5年前に茨木先生の後任として理事・選考委員へ着任いたしました。

5年間、非常に勉強になりました。帝人奨学会に応募してくる方は研究者としての資質が高い人が多く、私にとっては異分野の方も多かったですが、このような若い方たちが世の中にはいるのかと驚きました。また、そのような方たちの研究発表を聞く機会を持てたことはとても光栄に思います。実を言いますと私自身も帝人奨学会の奨学生であり、その時分は大変お世話になりました。

当時所属していた研究室の教授である三根先生が帝人と縁が深く、そういったことがきっかけで試験を受けた次第です。当時は筆記試験があり、面接ももちろんありましたが、現在のような研究発表とはまた違った形の選考でした。また、当時は大阪の堺筋本町駅にある帝人本社ビルへ選考を受けに行きました。現在その本社ビルはなくなってしまったとお聞きしましたが、今でもあの時の建物の姿を思い出すことができ、大変懐かしく記憶に残っております。

現在は兵庫県立大学の教授として勤務しており、2年前からは社会情報科学部長、そしてこの4月からは情報科学研究科長も務めることになりまして、まだしばらくは現役教員として勤務する立場となります。今後も帝人奨学会に貢献できることがありましたら是非力になれればと考えております。

これまでお世話になり、本当にありがとうございました。

片岡一則先生(東京大学名誉教授)

11年間、帝人奨学会の役員を務めさせていただきました。退任にあたり三つお話しさせていただきたいと思います。

まず一つ目は、帝人奨学会は創設以来70年近く継続している奨学金であるということです。民間の奨学金として志のある大学院生を長く支援してきたことは非常に大変なことであり、敬意を表します。最近は国の方でも大学院生、特に博士課程の学生に手厚く支援をするという話も出ていますが、公的な支援とは意外と変わりやすくもあり、対して民間の奨学金であるこちらは大学院生を支援する姿勢は一貫して変わらず、すごいことだと感じております。

また、帝人株式会社の創設者である久村清太氏は在学中に会社を興したと伺っていますが、今風に言えば学生ベンチャーが帝人に成長したということですから、そういった会社を母体に持つ帝人奨学会でも、進取の気性に富んだ若いイノベーション人材の発掘に引き続き寄与していただければと思います。

二つ目は、こちらの奨学金を通して私自身が一番勉強させていただいたということです。選考する学生さん達が非常に分かりやすく研究のバックグラウンドから話してくれるので、ずいぶん勉強させていただきました。以前私がこちらに寄稿した選考委員のメッセージを見返してみると「研究の楽しさを分かち合える喜び」といったことを書いておりました。特に修士の方は教授から指示された研究テーマを扱う方もいらっしゃいますが、指示されたテーマの中から何かを掴み取って自分のものとしている学生さんも多く見られ、そういった若い方たちを見るにつけ日本の将来は明るいと思われます。

三つ目は、多様性の尊重ということです。11年前と比べますと、現在は応募してくる学生さんのバックグラウンドがずいぶん多様化してきていると感じます。1953年設立時の奨学会は日本人のみが奨学金の対象だったかと思いますが、現在は環境が大きく変わり、日本人だけではなく留学生の奨学金枠も作られ、今で言うダイバーシティ&インクルージョンが決してお題目だけではなく実行されているのではないかと思います。私自身、これまで色々な大学や学部に在籍し多様な経験をしてきましたが、こういった環境に身を置くことは非常にプラスになったのではないかと個人的に強く思うところです。

奨学会や役員の皆様におかれましても今後、多様性を含む奨学金の在り方については深く議論をしていっていただけるのではないかと思っております。奨学生の交流会も、現状のものだけではなく、賛否両論あるかとは思いますがSNS等も活用していけば自然とネットワークが広がっていくのではないでしょうか。

このように振り返ってみるとあっという間でしたが、長い間ありがとうございました。今後の帝人奨学会のご発展をお祈りいたします。