異分野に積極的に飛び込んで、自分の武器をどんどん増やそう
研究者として、何を目指して研究していくのか?その答えは年齢(年代)によって変わっていくものですが、若い皆さんが将来にわたって、サイエンスとして面白く、社会の発展に大きく貢献する研究を立案し、遂行していくためには、自分の武器を増やすことが非常に重要です。様々な領域の研究を実際に自分でやってみて、経験を積んで、自分の武器を増やすことで、研究者としてのオリジナリティが確立され、他の人と違う研究者として見てもらえるようになります。そのためには、異分野の研究を外から学ぶだけではなく、実際にその領域に飛び込んで、実際に手を動かしてやってみることが重要です。化学、生物、物理、情報などの多分野を渡り歩いて、まずは5年後に武器が一つ増えた研究者になれるように、計画通りに研究が進まなくても全く構わないので、アクティブに研究を楽しんでください。
理事
東京大学大学院教授 浦野 泰照
自己の熱意に酔わず客観的根拠に基づいた説得力のある研究計画を
有用かつ魅力的な研究目標であれば、必ず世界中で少なからぬ研究者が取り組んでいるものです。それらに伍して新規性のある成果を得るためには、既存研究の綿密な調査が不可欠です。何処まで解明されているのかをはっきりさせた上で、自分の研究計画の新規性・独自性を明確にしなければいけません。視野を広く持ち、自己の熱意に酔うことなく、客観的根拠に基づいた説得力のある研究計画を冷静に提示して下さい。経済的な理由で科学的才能を十分に活かすことが出来なければ、それは個人の不幸に留まらず人類全体にとっての損失でもあります。本奨学生から世界的な学者や技術者が育つことを楽しみにしています。
理事 兼 選考委員
電気通信大学大学院教授 伊藤 大雄