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先輩奨学生からのメッセージ

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吉田 有宏さん

「楽しかった博士課程」

先日、無事博士号を取得することができました。博士課程の間、帝人奨学会から多大なご支援をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。このご支援がなければ、幸せで楽しい博士課程を過ごすことはできませんでした。

博士課程の研究テーマは、惑星系が誕生している場所である「原始惑星系円盤」という天体を、南米チリに設置された世界最大の電波望遠鏡であるアルマ望遠鏡を使って詳細に観測するというものでした。具体的には、惑星系形成過程を議論するために重要な原始惑星系円盤の質量を精度良く測定するための手法の開発と応用を行いました。アルマ望遠鏡の観測時間はとても貴重なもので、個人や小規模のグループが観測提案を通して、新しい発見に必要な深い観測を行うのはなかなか難しくなっています。その一方で「大規模プログラム」という、世界の多数の研究者が共同で観測を行い、データを共有することができる枠組みもあります。私はそのうちの一つに参加し、開発した質量測定手法をこれまでにない高画質なデータで実践することができました。

参加した当初はあまり考えていませんでしたが、こうした大規模プログラムに参加して良かったのはサイエンス面だけではありませんでした。必然的に海外の研究者と深く関わることになるわけですが、その中で極東の島国の一介の学生の存在を多少認知していただくことができました。その結果として、今春からのヨーロッパでのポストを得ることができました。今後、さらに研究を発展させることができそうでワクワクしています。

さて、最近の物価上昇等に伴い、博士候補生の生活環境は厳しさを増しています(国の投資総額こそ増えていますが、収入が与えられる者一人当たりの収入自体は、日本の最低賃金が今の半分だった35年前からほとんど変わっていません)。そのような中で、帝人奨学会からご支援をいただけたことで、安定した生活を基盤に研究に専念できたことは大変ありがたいことでした。改めて感謝申し上げます。後輩の皆様にも、大学院ではぜひ研究を楽しんで有意義な時間を過ごしていただきたいと思っております。


アルマ望遠鏡:国立天文台提供

2026年1月寄稿

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