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先輩奨学生からのメッセージ

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K.Wさん

「Seeing is believing」

修士課程で奨学金をいただいていた当時、貴会への寄稿で「海外で研究をしてみたい」という夢を書いたことを、今でも鮮明に覚えています。あれから年月を経て、学位取得後、念願だった海外留学を実現することができました。修士課程でのご支援があったからこそ、経済的な不安なく研究に専念でき、基礎を築き、着実に成果を積み重ねることができました。それが留学への道を開く大きな原動力となりました。

留学先はドイツで、研究テーマは顕微鏡を用いた哺乳類受精卵の発生過程の観察です。これまで困難とされてきた「受精卵の発生をリアルタイムで観察する」研究が、近年ようやく可能となり、私もその最前線で数々の新しい光景を目にすることができました。それらを成果として形に残せたことは、まさに“Seeing is believing”──百聞は一見にしかず──を実感する瞬間でした。

海外での生活においても、自らの目で見て、耳で聞き、肌で感じることによって、語学や文化の壁を越え、多くの学びを得ることができました。机上の知識だけでは得られない感覚や価値観は、研究者としての成長だけでなく、人としての成長にもつながったと感じています。

改めて、修士課程時のご支援に心より感謝申し上げます。これからは、これまで培った経験や知見を活かし、研究成果を社会や医療に還元できるよう努めてまいります。また、後輩の皆さんへ──進路については迷いや悩みがあるかもしれませんが、もし機会があれば海外も視野に入れ、自らの目で世界を見て感じてほしいと思います。海外では研究面でも生活面でも、日本との違いを数多く目にし、それによって価値観が大きく変わることもあります。机上の知識や想像だけでは得られないその経験が、必ず皆さんの視野と可能性を大きく広げてくれるはずです。

2025年8月寄稿

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